中国、新エネ車への補助金2割抑制 21年方針
【北京=多部田俊輔】中国政府は2021年の電気自動車(EV)など新エネルギー車への販売補助金を前年比で2割減らす。19年の新エネ車販売の伸び悩みを受けて助成延長を決めていたが、20年は前年実績を上回ったもよう。このため、補助金額を抑制することで財政負担を軽くする。
中国の財政省が自動車の産業政策を担う工業情報化省などと共同で、今年1月1日実施する補助政策の通知を出した。バスやタクシー、ライドシェア、ゴミ回収、都市物流などで使う新エネ車については、補助金の削減幅を1割にとどめるとしている。
中国メディアの報道によると、航続距離が300㌔㍍から400㌔㍍の標準的なEVでは、販売補助額が20年の1万6200元(約25万円)から21年は1万3000元に減少する。標準的なプラグインハイブリッド車(PHV)では8500元から6800元に減少するという。
中国の新エネ車販売は19年に初めて前年実績を下回ったうえ、20年も新型コロナウイルスの感染拡大で販売が低迷したことから、中国政府は20年3月に新エネ車の販売補助金を2年間延長することを決めた。ただ結果的に20年は前年実績を1割近く上回ったもようで、補助の削減に踏み切ったとみられる。
中国の自動車業界団体である中国汽車工業協会によると、20年の新エネ車の販売見通しは130万台で、21年は180万台を見込む。20年の新エネ車が新車販売全体に占める比率は約5%。25年に20%、35年には50%まで引き上げることを目標としている。