JSR、EUVリソグラフィ用フォトレジストのパイオニア企業Inpria Corporationを完全子会社化

企業情報

JSR株式会社(代表取締役CEO:エリック ジョンソン、以下JSR)は916日、EUV(極端紫外線)リソグラフィ用メタル系フォトレジストの設計・開発・製造会社で世界をリードするInpria Corporation(米国オレゴン州コーバリス、CEOAndrew Grenville、以下「Inpria」)の全株式を取得し完全子会社化することで同社と合意し、契約を締結したことをお知らせいたします。EUVの技術は半導体製造で使用される最先端のリソグラフィプロセスにおいては既に商業生産で使用されていますが、今後半導体チップの微細化が進むにつれて、このプロセスの使用が大幅に増加するものと予想されます。

JSRは2017年および2020年にInpriaの資金調達ラウンドに参加し、同社の株式の21%を所有しています。完全子会社化は、規制当局の承認等のプロセスを経て202110月末には完了する予定です。なお、両社はInpriaの事業価値について514 百万⽶ドル(約56,540 百万円*)で合意しています。
1米ドル=110円として換算

Inpriaは、2007年の設立以来、メタル系EUVフォトレジストの開発に取り組んでおり、EUV露光で世界最高性能の限界解像度を達成しています。

Inpriaのメタル系フォトレジストにより、お客様は、製造で求められる低欠陥レベルを満たし、より微細な構造をパターニングすることができます。
Inpriaの材料ソリューションは、この分野で急速に成長しているEUV工程でのパターニングのコストの大幅な削減に貢献します。

JSRは、60年以上にわたり様々な機能性材料を製造してきましたが、当社の強みである技術革新力を活かし、成長を目指す半導体材料を含むデジタルソリューション事業およびライフサイエンス事業に注力し、今後の事業拡大を図ってまいります。JSRは、量産技術や品質管理、サプライヤー管理、顧客との信頼構築における長年の経験を活かして、業界に貢献し、可能性を拡大してまいります。

今回の買収は、当社の最先端材料の製品ポートフォリオをさらに強固にするだけでなく、半導体製造の顧客やパートナーが技術革新を継続し、効率よく製造することを可能にする戦略的アプローチです。当社のフォトレジストの製品群に、Inpriaのメタル系レジストを加えることで、半導体材料のサプライヤーとしてシームレスに価値を提供してまいります。

代表者コメント

JSR株式会社 代表取締役CEO エリック ジョンソンコメント】

InpriaはEUVリソグラフィに対して本当に革命的なアプローチをとっています。Inpriaの技術はJSRの戦略に合致しているだけでなく、JSRと同様にR&Dを中心とした文化を持ち、イノベーション主導の考え方で動いています。私たちは、共通の情熱をもって、業界を前進していけると考えています。

Inpria Corporation CEO  Andrew Grenvilleコメント】

当社がJSRグループの一員になることを嬉しく思います。Inpriaのメタル系フォトレジスト技術と、JSRがこれまでに培ってきた品質、製造、顧客対応の比類のない経験を組み合わせることで、より多くの半導体製造現場で当社のプラットフォームの本格採用を加速させていきます。また、JSRのグローバルな
オペレーションにより、主要な市場での製品導入を促進しながら、お客様のニーズを満たすことができます。当社は、JSRとともに、高NA (開口率)EUV時代のお客様のニーズに応えていくことができると確信しています。